最近、2,000人の日本人(男性901人、女性1,099人)を対象に行った調査で、マンガ読者の間に明確な男女差があることが明らかになりました。この結果は、マンガ業界のプロフェッショナルを対象にした追加調査(148人:男性73人、女性75人)でも裏付けられています。さらに注目すべきは、日本の若年層でマンガを読む関心が低下している兆候が見られる点で、これはYouTubeやTikTokといったデジタルコンテンツの台頭が影響している可能性があります。
調査から得られた最も興味深い知見は以下の通りです:
現在マンガに最も関心がある人は、小学生時代にマンガにであった人々です。
マンガの黄金期に育った40代・50代が最も多くマンガを読み、60代以上は中立的、若年層は関心が低い傾向にあります。
男性はアクションや大人向けのマンガを好み、女性はロマンスやドラマをテーマにしたマンガを好む傾向があります。
全体として、男性は紙のマンガを、女性はデジタル形式を好みます。
マンガ読者は日本のオリジナルコンテンツを重視し、海外のマンガや日本のマンガの他形式への適応には関心が低いです。
マンガは依然として非常に人気ですが、業界で働きたいと考える人はごくわずかです。
以下に詳述する結果は、読者と業界関係者の双方で顕著な男女差を示しています。業界内では、男性は編集者や出版社の役割を担う傾向があり、女性はマンガアシスタントやイラストレーターとして働くことが多いです。コミュニケーションの好みにも違いがあり、両性ともチャットやメールよりも直接対話を重視しますが、男性は対面会議を、女性はデジタルプラットフォームを好みます。プロフェッショナルの間ではPDF形式が主流で、ツール使用にも男女差が反映されており、男性は文書中心のソフトを、女性はイラストに特化したツールを好む傾向が、マンガ業界の役割分布を反映しています。
調査方法
日本人のマンガに対する意識を探るため、2025年2月にFreeasyプラットフォームを用いて全国規模の2つの調査を実施しました。最初の調査では、2,000人(男性901人、女性1,099人)の読書習慣と好みを収集しました。続いて、マンガ制作に関心があるか経験のある148人(男性73人、女性75人)を対象に詳細な視点を探りました。これらの調査は、現代日本におけるマンガの位置づけを包括的に捉えたものです。 結果
スクリーニング調査 - 2,000人の回答者
Q1: マンガを読みますか?
回答によると、回答者のうち定期的にマンガを読む割合は4分の1未満で、たまに読む割合もほぼ同じ水準です。約17~18%が「ほとんど読みません」と答え、約37%が「全く読みません」と答えています。このパターンは、全体的に見るとマンガへの関心が中程度で、積極的に読む層とあまり関心を持たない層に分かれているこ とを示唆しています。全体として、マンガへの興味は限定的ながらも存在しているという傾向が見られます。
男女別の回答を見ていきましょう。男性と女性は共に定期的にマンガを読む割合がほぼ同じで、約24%ずつとなっています。たまに読む場合も、男女ともに約22%という非常に近い割合です。しかし、「ほとんど読みません」と答えた割合では、男性が約18%であるのに対し、女性は約16.5%となり、わずかな差が見られます。さらに、全く読まないと答えた割合は、女性が約38%に対して、男性は約35%と、女性の方がやや高い傾向にあります。これにより、両者がマンガに接する際の基本的な割合は似通っているものの、女性は全くマンガを読まない傾向がわずかに強いことがわかります。一方、男性は全く読まないよりも、少なくともわずかに読む傾向がやや高いといえます。全体として、男女間の比率はほぼ同等であり、マンガへの関心が低いレベルにおいてのみ、わずかな差異が見受けられます。
Q2: どのくらいの頻度でマンガを読みますか?
マンガを読む頻度は幅広く、最も多い回答は週に数回読むことで(26.03%)、約5人に1人が毎日読んでいました(18.43%)。月に数回読む(22.78%)や年に数回読む(21.27%)という習慣も見られ、数年に1回という最も低い頻度は11.48%です。全体的に、ほとんどの回答者が何らかの形でマンガに触れており、読む頻度にはバラつきがあることがわかります。
男女別で回答を見てみると、女性は約20.2%が毎日マンガを読むのに対し、男性は約16.3%となっており、女性の方が毎日読む傾向が強いです。一方、週に数回読む割合では、男性が約28.7%に対し、女性は約23.7%と、男性の方がやや高い傾向にあります。月に数回読む割合は、男性が22.5%、女性が23.0%とほぼ同等です。年に数回読むカテゴリーでは、男性が約22.5%、女性が約20.2%と、男性がわずかに上回っています。さらに、数年に1回読む回答は、女性が約12.8%で、男性の約10.0%よりも多いです。これらの割合の違いは、男女ともに全体的なマンガへの関与は似ているものの、女性は毎日読む傾向が強く、男性は週に数回読む傾向がやや高いことを示しています。全体として、男女間の差は大きくないですが、それぞれの読書習慣に微妙な違いが見受けられます。
Q3: どの方法でマンガを読むのが好きですか?
マンガを読む方法で最も好まれのは紙の本(42.22%)で、次いでデジタル(35.44%)、そして両方を使う方法が22.34%となっています。全体として、マンガを読む際には昔からある紙媒体が好まれる傾 向にあります。ひとつの方法を選ぶ傾向があり、両方を併用する人は少数に留まっています。これらの結果は、利用可能な各オプションにおいてバランスが取れながらも明確な選好があることを示しています。
男女別で回答を見比べてみると、男性は約48%が紙の本を好む一方、デジタルを選ぶのは約30%に留まっています。これに対し、女性は約40%がデジタルで読むことを好み、紙の本を選ぶ割合は約38%となっており、女性のデジタル志向が目立ちます。両性ともに、紙とデジタルの両方を使う割合は約22%とほぼ同等です。このことは、男性が従来の紙媒体に強く依存するのに対して、女性はデジタル方式により傾倒していることが見られます。男女間の比率の違いは、好みの方法において顕著な分岐が存在することを明らかにしています。この結果から見てみると、性別が読書方法の選好に影響を与えていることがわかります。
Q4: どこでマンガを入手しますか?
マンガの主な入手先は、書店(41.41%)と無料のマンガアプリ・サイト(39.95%)が最も多く利用されているということが回答からわかりました。オンライン書店は25.55%の割合で利用され、有料マンガアプリ・サイトは17.32%に留まっています。マンガレンタルショップ(7.05%)や図書館 (4.51%)の利用は少なく、また、マンガを買わない/読まないと回答する割合は16.3%に達しています。全体として、回答は伝統的な方法と無料のデジタル手段の両方に強い傾向があることを示しています。
また、男女別の回答を見てみると、男性は書店でマンガを入手する割合が約42.6%であるのに対し、女性は約40.4%と、男性がやや高い傾向にあります。オンライン書店の利用については、男性が約26.1%、女性が約25.1%と非常に近い割合となっています。マンガレンタルショップの利用は男性が約7.4%、女性が約6.8%で、わずかな差が見受けられます。特に、無料マンガアプリ・サイトの利用は女性が約42.8%であるのに対し、男性は約36.6%と、女性のデジタル利用への傾向が際立っています。有料マンガアプリ・サイトの利用者は、男性が約16.8%、女性が約17.7%とほぼ同等です。図書館の利用率は男女ともに約4.5%と低い数値に留まっています。また、マンガを買わない/読まないと回答する割合は男性が約17.5%、女性が約15.2%と、男性がわずかに高い傾向にあります。これらの結果を見ると、男女ともに物理的およびデジタルな方法で入手しているものの、女性は無料のデジタル手段を利用する傾向があり、男性は書店を利用するか、そもそもマンガを購入しない傾向がやや強いことが示されています。
Q5:好きなマンガのジャンルは何ですか?
回答によると、幅広いマンガのジャンルが好まれており、特にアクションや冒険の要素が強いジャンルが大きな支持を受けています。全体では、約56%がアクション・アドベンチャー系の作品を好む一方、約42%が大人向けの心理やスリラーの作品に惹かれています。他にも、恋愛や大人の日常を描いた作品、異世界ファンタジー、コメディ、ホラー・ミステリー、スポーツなど、約17%から32%の範囲で様々なジャンルに関心が示されています。これらの傾向は、マンガにおける多様なストーリーテリングとテーマの好みを反映しています。
回答によると、男性はアクション・アドベンチャー系の作品に非常に強い傾向があり、約65%がこのジャンルを支持しているのに対し、女性は約48%にとどまっています。一方、少女マンガや恋愛ドラマといったロマンチックな作品は、女性が約47%と高い割合で好むのに対し、男性はわずか約12%と低い支持率です。青年マンガのような大人向けの心理やスリラー作品は、男性では約51%が好むのに対し、女性では約33%に留まっており、男性の方がダークなテーマに引かれていることが分かります。女性向けの日常系作品は、女性の約42%が支持するのに対し、男性は10%未満と大きく乖離しています。異世界マンガの支持率は男女ともに約28%から30%で、ほぼ同等の関心が示されています。コメディは女性で約28%、男性で約23%と、女性のほうがやや好む傾向にあります。特に、スポーツジャンルは男性が約26%で支持するのに対 し、女性は約9%と大きな差があります。その他のジャンルに関しては、男性がやや高い支持を示しており、これらの結果は男女間の好みの違いを際立たせています。
Q6:4コマ漫画(4コママンガ)が好きですか?
回答によると、全体の約9.8%が4コマ漫画を大好きと答え、約34.7%がたまに読むと回答しているため、ポジティブな関心は約44.5%に達しています。一方、約29.4%が興味がなく、約26.2%があまりよく知らないと答えており、否定的または認識不足の割合は合計で約55.5%となっています。全体として、これらのパーセンテージは、4コマ漫画に対する関心が中程度で、楽しむ人とそうでない人の間に明確な分かれ目があることを示しています。全体の傾向として、4コマ漫画の人気は賛否両論であることが伺えます。
回答によると、男性の約10.8%が4コマ漫画を大好きと答えているのに対し、女性は約8.9%で、男性の方がやや好意的です。さらに、男性の約38.0%がたまに読むと回答しているのに対し、女性は約32.0%であり、この点でも男性の方が積極的な傾向が見られます。「興味がありません」と回答した割合は男女でほぼ同じで、約29.3%から29.4%となっています。しかし、「あまりよく知りません」と答えた割合は、男性が約22.0%であるのに対し、女性 は約29.7%と、女性の方が4コマ漫画に不慣れであることが際立っています。これにより、女性は4コマ漫画への認識が男性よりも低い傾向が示唆されます。男性の高いポジティブな関与率は、彼らが4コマ漫画をより楽しみ、たまに読む傾向が強いことを示しています。全体として、これらの性別間の差異は、男性が4コマ漫画に対してやや積極的で、女性はやや消極的であるという微妙な違いを浮き彫りにしています。
Q7:海外のマンガ(日本以外の国のマンガ)を読んでみたいですか?
回答によると、既に海外のマンガを読んでいると答えた割合は約5%で、興味があると回答したのは約9%となっています。さらに、より手軽に読めるならと答えた割合は約14%にのぼり、対照的に、日本のマンガの方が好きと回答したのは約34%、マンガに全く興味がないとしたのは約38%です。全体として、海外のマンガの魅力は日本のマンガに比べると限定的であり、多くの人が日本のマンガを支持するか、あるいはマンガ自体に興味が薄いことが示唆されます。
回答によると、既に海外のマンガを読んでいる割合や興味がある割合は、男女ともにほぼ同じで、各々約5%と9%前後です。もっと手軽に読めるならという回答では、男性は約13.6%に対し、女性は約14.7%と、女性の方がやや高い傾向にあります。また、日本のマンガの方が好きという回答においては、男性が約36%と高い割合を示すのに対し、女性は約32%に留まっています。一方、マンガに興味がないと回答する割合は、女性が約39%、男性が約36%と、女性の方がやや高いです。これらの結果は、初期の海外マンガへの関心は男女間でほぼ同等であるものの、全体的なマンガの好みにおいては、男性が日本のマンガを支持する傾向が強く、女性はマンガに対して無関心な割合が高いことを示唆しています。全体として、性別による違いは微妙ながらも一貫しており、男女でわずかながら好みの傾向に差があることが分かります。
Q8:初めてマンガを読んだのはいつですか?
回答によると、全体の約57.5%が小学生のときに初めてマンガに触れ、約24.9%が小学校入学前にマンガを読み始めています。中学生での初体験は7.0%、高校生での初体験は1.7%であり、大人になってから読むようになった人は約9.0%にとどまっています。全体として、これらの割合はマンガが幼少期、特に小学校時代に広く紹介される傾向を示しています。回答は、早期のマンガ接触が一般的であることを反映しています。
回答によると、男性は約54.8%が小学生のときに初めてマンガを読んでおり、約27.9%が小学校入学前にマンガに触れているため、女性よりも非常に早い段階でマンガと出会う傾向がやや強いことが分かります。一方、女性は約59.6%が小学生のときに初体験をしており、約22.4%が小学校入学前にマンガを読み始めたため、女性は主に小学校時代にマンガと出会う傾向が強いです。中学生で初めた割合は、男性が約7.1%、女性が約6.9%とほぼ同等で、双方に大きな差は見られません。高校生で初めた割合は、男性が約1.3%であるのに対し、女性は約2.0%と、女性の方がわずかに高い傾向があります。また、大人になってから初めた割合は男性が約8.9%、女性が約9.1%と非常に近い結果となっています。これらの結果は、男女ともに幼少期にマンガに出会う傾向が強いものの、男性は特に小学校入学前に接する割合が高い一方、女性は小学生の時期に集中していることを示唆しています。全体として、性別による差は微妙ながら、女性は小学校時代に、男性はそれよりもやや早い段階でマンガを読み始める傾向があることが浮き彫りになっています。
Q9:マンガがアニメや実写化などのメディアに適用されることについてどう思いますか?
回答によると、約8.7%がマンガのアニメや実写化を大好きで必ずチェックする一方、約15.6%は原作マンガの方が好きながらも、アニメなどのメディア化も楽しんでいます。約33.8%はたまに観るがあまり気にしないと答えており、約15.4%はあまり好きではなく、約26.6%は全く観ないと回答しています。全体として、アニメや実写化への反応は賛否が分かれており、強い熱狂よりも控えめな関与が目立ちます。これにより、アダプテーションは一部の関心を集めるものの、多くの人は原作に忠実であるか、アダプテーションを避ける傾向があることが示されています。
回答によると、男性はアダプテーションに対してやや積極的で、男性の約9.7%が大好きと答えているのに対し、女性は約7.9%となっています。原作マンガの方が好きだがアダプテーションも楽しむ割合は、男性が約16.2%、女性が約15.0%と、男性の方がやや高い傾向にあります。たまに観るがあまり気にしないと答えた割合は、男性が約33.2%、女性が約34.2%とほぼ同等です。あまり好きではないと答えた割合は、男性が約15.1%、女性が約15.7%と非常に近い数字となっています。全く観ないと答えた割合は、女性が約27.2%で、男性は約25.9%と、女性の方がわずかに高い傾向です。これらの違いは、男性がアダプテーションに対してやや積極的に関与する傾向があり、女性はやや控えめまたは興味が薄い傾向があることを示唆しています。全体として、男女ともに中程度の関心を示すものの、男性はアダプテーションを積極的に追う傾向がわずかに強いことが浮き彫りになっています。
Q10:マンガ業界で働いたことがありますか?または将来働きたいと思いますか?
回答によると、全体の約1.9%が現在マンガ業界で働いており、約2.8%が過去に働いた経験があります。将来働きたいと考えている割合は約8%で、圧倒的多数の約87.35%はマンガ業界で働くことに興味がありません。全体として、マンガ業界で働く意欲や経験は非常に低いことが示唆されます。これらの結果は、マンガ業界への就業関心が極めて限られていることを反映しています。
回答によると、男性は現在マンガ業界で働いている割合が約2.6%で、女性は約1.4%と、男性の方がやや高い傾向にあります。以前働いた経験に関しては、男性が約2.8%、女性が約2.7%とほぼ同等です。将来的に働きたいという意向は、男女ともに約8%で一致しています。一方、マンガ業界で働くことに興味がないと答えた割合は、女性が約87.9%に対し、男性は約86.7%となっています。これにより、全体として男女間の違いはごくわずかであるものの、男性が現在の就業状況で若干優位であることが分かります。男女ともにマンガ業界への関心は非常に低いですが、男性は現職者としてやや多い傾向にあります。全体として、性別による差異は微妙で、両者の就業意欲や経験はほぼ同様であることが示されています。
追加調査 - 148人の日本人回答者
Q1:あなたはマンガ業界にて、どのような役割で働いている、または今後働きたいと思っていますか?(最も該当するものを1つ選んでください)
回答によると、全体では漫画家と漫画イラストレーターの役割が最も人気があり、各々約22.3%の支持を集めています。一方、漫画アシスタント(18.2%)や出版社(17.6%)も注目されており、編集者(10.1%)やその他(9.5%)は比較的低い支持率となっています。全体として、創作に関する役割と、サポートや管理に関わる役割の両方にバランスの取れた関心が示されています。これらの割合は、漫画業界内で多様な職務に対する志向があることを反映しています。
それぞれの回答を男女別で見てみると、漫画家の役割は男女ともほぼ同等の支持を受け、男性は約23.3%、女性は約21.3%です。一方、漫画アシスタントと漫画イラストレーターは女性に好まれ、女性はそれぞれ約22.7%と約28.0%であるのに対し、男性は約13.7%と約16.4%にとどまっています。逆に、編集者や出版社の役割は男性の支持が高く、男性はそれぞれ約13.7%と約20.6%で、女性は約6.7%と約14.7%です。さらに、「その他」のカテゴリも男性が約12.3%を選ぶのに対し、女性は約6.7%で、男性に傾いていることがわかります。これらの結果は、男女ともに創作に関する職務に興味を持つ一方、女性はアシスタント やイラストレーターとしての役割により強い関心を示し、男性は編集や出版、その他の代替的な職務に傾く傾向があることを示唆しています。全体として、性別による選好の違いが明確に表れていることが分かります。
Q2:あなたがマンガ業界で働く、または働きたいと思う主な動機は何ですか?
回答によると、マンガ業界で働く、または働きたいという主な動機は、経済的な安定とキャリアの成長(約31.1%)が最も高く、その次に物語やアートへの情熱(約29.7%)が続いています。日本のポップカルチャーへの関心は約23.7%、同じ志を持つプロフェッショナルとの交流の機会は約12.8%を占めています。「その他」の理由は非常に少なく、全体の約2.7%です。全体として、回答者は芸術的な情熱と実利的なキャリア志向の両方がほぼ均等に存在することを示しています。
続いて、男女別の回答結果を見ていきましょう。回答によると、物語やアートへの情熱に関しては、男性が約30.1%、女性が約29.3%と、ほぼ同等の割合となっています。同様に、経済的な安定とキャリアの成長への動機も、男性が約31.5%、女性が約30.7%と非常に近い値です。日本のポップカルチャーへの関心については、男性が約24.7%とやや高く、女性は約22.7%となっています。一方、同 じ志を持つプロフェッショナルとの交流の機会は、女性が約13.3%に対し、男性は約12.3%と、女性の方がわずかに強い傾向にあります。さらに、「その他」のカテゴリでは、女性が約4.0%と、男性の約1.4%よりも高い割合を示しています。これらの結果から見てみると、男性が文化的な熱意にやや傾く一方で、女性はプロフェッショナルなつながりやその他の動機により価値を置いていると言えます。しかし全体としては、男女ともにコアとなる動機は非常に似通っており、割合の違いはわずかしかないと見受けられます。
Q3:マンガ業界のプロフェッショナル(漫画家やアシスタント、編集者など)と、どのように作業を行っている、もしくは行いたいと思いますか?
マンガ業界のプロフェッショナルとの協働において、オンラインビデオ会議(23.17%)と対面での会議(21.54%)が最も人気があり、チャットアプリ(21.95%)も高い支持を受けていることが、回答からわかりました。メールでのやりとり(13.01%)や共有ドキュメントプラットフォーム(10.98%)は中程度に利用され、一人で作業することを好む回答はわずか(8.54%)、その他は非常に少数(0.81%)に留まっています。全体として、回答はリアルタイムで直接的なコミュニケーション方法が好まれることを示しており、対面とオンラインの両方の会議が重視されています。
男女による回答の違いを見てみると、男性は対面での会議を好む傾向がやや強く、約25.6%がこの方法を支持しているのに対し、女性は約17.4%に留まっており、男性の方が直接対話に傾いていることが分かります。一方、女性はオンラインビデオ会議への支持が約24.0%と、男性の約22.4%よりやや高く、デジタルコミュニケーションへの適応が感じられます。チャットアプリの利用率は男女ともほぼ同等で、男性が約22.4%、女性が約21.5%となっていました。メールでのやりとりに関しては、男性が約12.8%、女性が約13.2%と、ほぼ同じ水準です。共有ドキュメントプラットフォームの使用率も、男性が約10.4%、女性が約11.6%とわずかな差に留まっています。一人で作業することを好む割合では、男性が約5.6%であるのに対し、女性は約11.6%と、女性の方が単独作業を選びやすい傾向が見られます。その他のカテゴリーは、男女ともに約0.8%と極めて低い数字です。これらの割合の違いから見てみると、男女とも協働を重視しつつも、男性は対面での交流を、女性はオンラインでのやりとりや単独作業をやや好む傾向があることを示しています。
Q4:マンガ関連の仕事でよく使うデジタルツールは何ですか?
全体の回答から見てみると、マンガ関連の仕事で最も頻繁に使用されるデジタルツールは、PDFファイル(40.5%)、Google ドキュメント(37.2%)、Word文書(37.2%)であり、文章作成系ツールへの依存が高いことが分かります。マンガのプロフェッショナルにとって、PDFは特に価値があり、PDF Guruのようなサービスを使って簡単に編集できるため、マンガ原稿の管理や改良に役立つ強力なソリューションを提供しています。また、Adobe Photoshop(20.3%)、Canva(19.6%)、Clip Studio Paint(18.9%)といったクリエイティブツールも顕著に使用され、「その他」のカテゴリーは最も低い使用率(5.4%)となっています。全体として、回答者はマンガ関連の作業において、文章とアートの両面をサポートする多様なデジタルツールを活用していることが示唆されます。つまり、これらの傾向は、業界内でテキスト系とクリエイティブ系のツールがバランス良く利用されていることを反映しています。
男女別の回答を見てみると、男性は文章系ツールを女性よりやや高い割合で使用しており、Google ドキュメントは約39.7%、PDFファイルは約43.8%、Word文書は約42.5%を利用しているのに対し、女性はそれぞれ約34.7%、37.3%、32.0%となっています。マンガのプロフェッショナルは、性別に関係なく、PDF編集ツールを使って脚本やレイアウトを直接PDF形式で調整し、ワークフローを効率 化することが多いです。一方、クリエイティブツールに関しては、女性がより強い好みを示しており、Clip Studio PaintとAdobe Photoshopは女性が共に約25.3%使用しているのに対し、男性はそれぞれ約12.3%と15.1%に留まっています。Canvaの使用率は男女でほぼ同等で、男性が約20.5%、女性が約18.7%ですが、一部の人は注釈ツールを使って共同作業やデザインのマークアップを行っている場合もあります。また、「その他」のカテゴリは男性が約6.8%、女性が約4.0%と、男性の方がわずかに高い傾向です。これらの割合の違いは、両性ともマンガ関連の仕事でデジタルツールを利用しているものの、男性は文章作成系のツールに、女性はイラスト制作系のツールにより重点を置いていることが見られます。これらの結果から、マンガ業界におけるデジタルツール使用において、性別による好みの違いが存在することを明らかにしています。
Q5:マンガ業界で直面している(または直面すると予想される)最大の課題は何ですか?
マンガ業界が直面している、または直面していると思われる最大の課題は「仕事の機会を見つけること」と「締め切りの厳しさ」で、どちらも約30.4%の回答があげられています。次いで、「創 作意欲の維持」が約20.3%と重要な課題とされており、プロ同士のネットワークの構築(約10.8%)、技術やツールの最新情報の習得(約6.1%)、その他(約2.0%)は比較的低い割合です。これらの数字から見てみると、マンガ業界における主な懸念は、雇用の機会と締め切りのプレッシャーにあることを示し、さらに創作意欲の維持も重要な要素であることが分かります。
男女別の回答を見ていきましょう。男性は「仕事の機会を見つけること」を約27.4%が課題と感じるのに対し、女性は約33.3%とやや高く、女性の方が雇用面での不安を抱えている傾向があります。締め切りの厳しさについては、男性が約31.5%、女性が約29.3%と、男女間でほぼ同等の関心を示しています。創作意欲の維持は男性にとってより大きな課題で、約26.0%が挙げる一方、女性は約14.7%に留まり、男性が創作面での負担をより強く感じていることが伺えます。プロ同士のネットワークの構築は、男性が約9.6%、女性が約12.0%と、両者で中程度の課題となっています。技術やツールの最新情報の習得は、女性の約8.0%に対して、男性は約4.1%と、女性の方がより敏感に感じていることが示されます。「その他」のカテゴリは男女とも非常に低いですが、女性が約2.7%、男性が約1.4%と、わずかに女性に多い傾向があります。これらの結果から見てみると、男女とも締め切りのプレッシャーには同等の関心を持つものの、女性は仕事の機会や技術の進展に対する懸念が強く、男性は創作意欲の維持に対してより大きな課題を感じていることがわかります。
Q6: 最も興味があるマンガジャンルは何ですか?
回答を見てみると、全体で最も人気のあるジャンルは青年漫画で、約31.8%の回答がそれを選んでおり、次いで少年漫画と少女漫画がそれぞれ約16~17%の支持を得ています。その他、女性漫画(11.5%)、ミステリー/スリラー(9.5%)、コメディ/日常系(8.8%)が続き、異世界は約4.7%と最も支持が低いです。全体として、成熟したテーマを持つ青年漫画への支持が際立っている一方で、回答者の好みは多様なジャンルに渡っています。これらの結果は、マンガジャンルに対する幅広い興味を反映しています。
男女別の回答から割合を見てみると、男性は青年漫画を非常に高い割合(約41.1%)で支持しており、女性は約22.7%にとどまっているため、男性はより成熟したアクションや大人向けのテーマに強く惹かれていることが分かります。一方、少年漫画は男性で約19.2%、女性で約14.7%となっており、男性の方が若干支持率が高いです。少女漫画は女性の支持が高く、約20%が選んでいるのに対し、男性は約12.3%となっており、恋愛やドラマ要素を好む傾向が女性に強いことが示唆されます。また、異世界は女性が約6.7%、男性は約2.7%と、女性の方が異世界ファンタジーに興味を示しています。ミステリー/スリラーおよびコメディ/日常系 は、女性がそれぞれ約12%の支持を示しているのに対し、男性は約6.8%および約5.5%と、こちらも女性の方が高い割合です。女性漫画に対する関心は男女ほぼ同等で、男性は約11.3%、女性は約12%程度です。その他のカテゴリーはごく少数で、男性にやや偏っています。全体として、最も興味のあるマンガジャンルに対する男女間の割合の違いは、男性がより成熟したアクションや大人向けのジャンルを好み、女性が恋愛や日常のドラマ、ファンタジー的な要素に強い傾向を持っていることを示しています。
Q7: マンガの制作または出版において、好みの形式は何ですか?
マンガの制作または出版における好みの形式は、デジタル形式が約39.9%と最も好まれ、紙媒体が約33.8%、紙媒体とデジタルの両方を合わせた形式が約26.4%を占めています。「その他」は選ばれておらず、これら3つの選択肢への明確な支持が見受けられます。全体として、デジタルソリューションへの傾きが強い一方で、伝統的な紙媒体も根強い人気があることが示唆されます。これらの結果は、デジタル形式がやや優勢であるものの、多くの人が紙媒体の魅力も重視していることを反映しています。
男女別による回答を見てみると、男性は紙媒体を約37.0%、デジタルを約38.4%、両方を約24.7%の割合で好んでいるのに対し、女性は紙媒体を約30.7%、デジタルを約41.3%、両方を約28.0%の割合で支持しています。これにより、男性は紙媒体とデジタルの両者にほぼ均等な関心を示しているのに対し、女性はデジタル形式をより強く好む傾向が明らかです。さらに、女性は両方の形式を併用する傾向も男性よりやや高いことが伺えます。これらの違いは、性別によって形式の好みが影響を受け、女性がデジタルプラットフォームに対してより強い魅力を感じていると言えます。全体として、男女間の割合の違いは、女性の方がデジタル形式を選ぶ傾向が顕著であることを浮き彫りにしています。
Q8: マンガ業界のトレンドやニュースをどのように把握していますか?
回答者は、マンガ業界のトレンドやニュースを主にデジタルチャネルを通じて把握していました。約39.9%がSNS、約37.8%が業界のウェブサイトやブログを利用しています。プロフェッショナルとのネットワーキングは約26.4%、漫画関連雑誌の購読は約16.9%の回答が見られ、「業界イベントやコンベンションへの参加」は0%、その他はわずか2.0%にとどまっています。全体として、これらの結果はマンガニュースやトレンドへのアクセスがデジタル志向であることを強調しています。
男 女別の回答を見ていくと、男性は業界のウェブサイトやブログの利用率が約39.7%とやや高く、女性は約36.0%であるのに対し、SNSは女性が約41.3%、男性が約38.4%と、女性がやや強く支持しています。また、他のプロフェッショナルとのネットワーキングについては、女性が約28.0%、男性が約24.7%と、女性の方が高い割合となっています。さらに、漫画関連雑誌の購読は男性が約19.2%、女性が約14.7%と、男性の方がやや伝統的な方法を好みます。どちらの性別も業界イベントやコンベンションには参加していない(0%)ことが明らかです。「その他」の選択肢は、男性が約1.4%、女性が約2.7%と非常に低い割合です。全体として、これらの割合の違いは、男女ともデジタルチャネルに大きく依存しているものの、女性はSNSやネットワーキングを、男性はウェブサイトや雑誌購読をやや好む傾向があることを示しています。
Q9: あなたのマンガキャリアにおいて最も役立つ支援は何ですか?
全体的に、マンガキャリアにおいて最も役立つ支援として、「より良いツールやリソースへのアクセス」で約33.1%、それに次いで「経験豊富な漫画プロフェッショナルからの指導(メンターシップ)」が約31.1%を占めています。さらに、他者とのコラボレーション機会が約18.2%、マーケティングや自己プロモーションのガイダンスが約8.8%、財政支援やスポ ンサーシップが約6.8%となっています。「その他」はわずか約2.0%です。これらの結果からみると、実用的なリソースとメンターシップがマンガキャリアの発展において重要な要素であることを示しています。
男女別で見てみると、男性は「経験豊富な漫画プロフェッショナルからの指導(メンターシップ)」を約37.0%と、女性の約25.3%よりも強く支持しています。一方、「より良いツールやリソースへのアクセス」については、女性が約34.7%で男性の約31.5%をわずかに上回っています。両性とも「他者とのコラボレーション機会」をほぼ同等に評価しており、男性が約17.8%、女性が約18.7%です。また、「マーケティングや自己プロモーションのガイダンス」は女性にとって特に重要で、約12.0%に対し、男性は約5.5%にとどまっています。財政支援やスポンサーシップは男女でほぼ同じで、男性が約6.9%、女性が約6.7%となっています。「その他」のカテゴリーも、女性が約2.7%、男性が約1.4%と、女性がわずかに多い傾向にあります。これらの結果から見てみると、実用的な支援が重視される中で、男性はメンターシップを、女性はツールやプロモーション支援をより求める傾向があることを示唆しています。
年齢別のマンガ読書傾向
西洋では、日本では誰もがマンガを読むというイメージが一般的ですが、今回のデータによると、回答者の3分の1以上がマンガを読んでいないことが分かりました。この結果に興味を持ち、非読者の年齢分布を分析しました。もしかすると高齢層がマンガにあまり関心を持たないのではないかと考えたのです。その結果、非常に興味深い年齢別の傾向が見えてきました。
年齢分布の絶対数の比較
を行うため、各年齢層ごとのデータをパーセンテージでも表にしました。
年齢分布のパーセンテージ比較
このデータから、いくつかの明確なパターンが浮かび上がります:
60歳以上の層はマンガを読むことに対して中立的で、50%が読むのを好み、50%が好まないようです。
40代と50代の年齢層は明らかにマンガを読むのが好きです。
30代の人々は再び中立的な傾向に戻るようです。
20代はマンガを読むことへの関心が低いように見えます。
10代のグループについては、15~19歳の範囲でのみ調査できたためデータが限られており、回答数もかなり少なかったです。
解釈
マンガは日本で1960年代後半から1970年代にかけて主流となりました。つまり、現在60代の人々は「少し遅れて生まれた」世代で、マンガと共に育った親世代がいませんでした。70代以上の人々もまた、マンガが主流となる前に育ちました。そのため、60歳以上の層は後になってマンガに親しむようになり、60代以上の年齢層ではマンガを好む人と好まない人がほぼ半々(50/50)に分かれていることが分かります。
50代と40代の人々は、マンガの「黄金時代」に育ち、その影響が今でも明らかで、この2つの年齢層が今日でもマンガを読むのを 強く好んでいることが見て取れます。
30代のグループからは明確な変化が見られ、ここではインターネットやプレイステーションなどが普及した時代に育った人々を扱っており、マンガの人気に明らかな低下傾向があります。
20代のカテゴリーではこの低下がさらに顕著で、TikTok、YouTube、Instagramなどに多くの時間を費やしていることが原因かもしれません。
主な調査結果
2025年の調査は、マンガ文化が世代間および男女間の違いによって変革期にあることを示しています。1980年代のマンガブームに育った40代と50代は最も熱心な支持者で、50%以上が定期的に読んでいますが、20代では関心が低下し、30%未満に落ち込んでおり、TikTokやYouTubeに惹かれている可能性があります。60歳以上は半々に分かれ、後からマンガに親しんだことを反映しています。性別による好みの違いも明確で、男性はアクション重視の青年マンガ(65%)と紙媒体(48%)を好み、女性はロマンス中心の少女マンガ(47%)とデジタル読書(40%)を支持します。初期の接触が重要で、読者の57%が小学生時代にマンガを始め、習慣が定着しています。しかし、現在マンガを読む人はわずか23%で、その遍在するイメージからの驚くべき減少です。
業界志望者はわずか8%で、読者の紙媒体支持(42%)に対しデジタル創作(39.9%)を好みます。仕事の少なさと締め切りに30%が悩みつつ、情熱(29.7%)と現実的動機(31.1%)が拮抗しています。青年マンガが人気(31.8%)で、男性41.1%、女性22.7%、女性は少女マンガ(20%)や軽いテーマを好みます。女性はイラスト(28%)、男性は編集(13.7%)に集中しています。PDF(40.5%)やPhotoshop(20.3%)が主流で、メンターシップ(31.1%)とリソース(33.1%)がキャリアを支えています。リアルタイム協力が活発で、男性は対面(25.6%)、女性はオンライン動画(24%)を好みます。4コママンガは反応薄く(9%が好き)、男性10.2%、女性8.2%。海外マンガや適応作は9%が興味を示すのみで、26.6%が敬遠しています。これらの傾向は、デジタル競争下で若者を維持し、伝統と革新のバランスがマンガの課題であることを示し、未来にはデジタルアクセスの強化と早期関与が鍵と示唆します。
結論
日本でのマンガの持続的魅力は岐路に立っています。40代・50代がその遺産を支える中、若い世代はデジタル代替物に魅了され離れつつあります。男性のアクション志向と女性のロマンス傾向が続くも、読者は減少し、定期的に読むのは23%のみです。早期接触が鍵だが、業界は仕事への不安が情熱を上回り、人材確保に苦戦しています。プロのデジタル創作が進む中、読者の紙への忠誠と衝突します。マンガが繁栄 するには、デジタル形式を受け入れ、小学生読者をターゲットに文化の持続を確保する必要があります。2025年のこの現状は適応を求め、マンガの次章は若者の再獲得にかかっています。
調査1の回答者属性
年代
都道府県
性別
結婚
職業
業種
世帯年収
居住形態
子供有無 ![S1 - 子供有無.png](https://pdfguru.com/static/s1---.png
調査2の回答者属性
年代
都道府県
性別
結婚
職業
業種
世帯年収
居住形態
子供有無